未知の分野をチラ見する(2)


前回は、「心理学 教科書」で検索すると、次の4冊が出てきたのでした。

1「基本が分かる 心理学の教科書:高校生から目指そう心理学検定2級」子安増生 著
2「心理学 第4版(Next教科書シリーズ)」和田万紀 著
3「心理学 第5版補訂版」鹿取廣人、杉本敏夫、他 著
4「自分もみんなも幸せにするアドラー心理学の教科書」田山夢人、田山有沙 著

これらの本の目次を見ることで、この分野の雰囲気をさらっとつかんでしまいましょう!

 

まずは一冊目!

基本がわかる 心理学の教科書:高校生から目指そう心理学検定2級

の目次はこうなっていました。

序章 心理学に興味を持ったあなたに:本書全体の導入の章です。

第1章 原理・研究法・歴史を学ぶ:心理学の原理と研究法を説明し、図のほとんどんどすべての分野の歴史的発展について述べています。


第2章 学習・認知・知覚を学ぶ:生理学の発展としての精神物理学、ゲシュタルト心理学、行動主義心理学、認知心理学の分野を扱います。


第3章 発達・教育を学ぶ:発達心理学と教育心理学を扱う章です。


第4章 社会・感情・性格を学ぶ:図の社会心理学のほか、感情心理学とパーソナリティ心理学について説明します。


第5章 臨床・障害を学ぶ:図の臨床心理学(精神分析、分析心理学、人間性心理学、認知行動療法)と障害心理学を扱います。

色んな言葉が並んでいますね~。

ぱっと見で私の目を引いたのは、第2章の「ゲシュタルト心理学」という言葉です。
なんかすごい威力を持ってそうな、パワーワードですよね!

また、第5章の「臨床」という言葉も耳慣れないなぁと思いました。

 

続いて二冊目!

心理学 第4版(Next教科書シリーズ)

の目次も見てみましょう!

序章
第1章 心理学の方法
第2章 感覚・知覚・認知・感性
第3章 記憶と学習
第4章 感情
第5章 性格
第6章 心の発達
第7章 社会行動
第8章 臨床心理

二冊目はとてもシンプルな目次でした。

一冊目と比べてみると、なんか似たような言葉が並んでいますね。

「知覚」「認知」「学習」など、ほとんどの言葉が重なっています。

そしてまたもや「臨床」という未知のワードが第8章に含まれていますね。

二冊の本で目次に出てくるということは、日常生活では聞きなれない言葉でも、この分野ではよく聞く言葉のようですね。

一方で「ゲシュタルト心理学」は出てきませんでした。

 

スイスイ行こう、三冊目!

心理学 第5版増訂版

の目次です!

<I部 こころのありか>
1章 心理学の視点
1.1 はじめに/1.2 心理学の方法論/1.3 行動研究と心理学

2章 行動の基本様式
2.1 行動の水準/2.2 感覚支配的行動/2.3 習得的行動/2.4 シンボル機能と発達レベル/2.5 意識と行動/2.6 意識の成立過程

3章 発達 遺伝と環境
3.1 遺伝と環境——行動発達を規定する要因/3.2 発達的変化/3.3 発達障害

<II部 こころの働き>
4章 学習・記憶
4.1 条件づけ/4.2 技能学習/4.3 社会的学習/4.4 記憶/4.5 学習・記憶の脳メカニズム

5章 感覚・知覚
5.1 感覚の分化と統合/5.2 視知覚/5.3 聴知覚/5.4 触覚

6章 思考・言語
6.1 問題解決/6.2 問題解決と認知発達/6.3 知識/6.4 推論と発見/6.5 非言語的コミュニケーション/6.6 言語的コミュニケーション行動の形成/6.7 言語の特性/6.8 脳損傷と高次機能の障害

7章 動機づけ・情動
7.1 食と性の動機づけ/7.2 基本的情動/7.3 親和動機づけ、活動と探索の動機づけ/7.4 達成と自己実現の動機づけ/7.5 フラストレーションとコンフリクト(葛藤)

8章 個人差
8.1 知能の測定/8.2 知能の因子/8.3 知能発達の要因——遺伝 対 環境/8.4 性格/8.5 パーソナリティ発達の要因/8.6 パーソナリティの不適応・障害

9章 社会行動
9.1 社会行動の発達/9.2 社会的認知/9.3 態度と説得/9.4 社会的影響/9.5 対人魅力と対人関係/9.6 集団の中の個人/9.7 社会脳

<III部 こころの探求>
10章 心理学の歴史

10.1 「こころ」の概念/10.2 精神医学の影響/10.3 感覚の研究/10.4 心理学の成立/10.5 生物科学の発展とその影響/10.6 科学としての心理学の展開/10.7 心理学の現況

これはなかなかボリュームの多そうな目次ですね!

一冊目、二冊目と比べると、同じような言葉もありますが、新しく出てきた言葉もあります。

「シンボル機能」「動機付け」「フラストレーションとコンフリクト」「遺伝」などなど、先の二冊の目次にはありませんでした。

そして先の二冊にはあった「臨床」は出てこないようです。

 

やっと最後、四冊目!

自分もみんなも幸せにするアドラー心理学

の目次も見ておきましょう!

第1章 アドラーがはじめた心理学
アドラー心理学って何?
アルフレッド・アドラーという人
アドラー心理学を学ぶ3つの段階
アドラー心理学の3つの柱
人はどこに向かって行動するのか

第2章 人生観を変える5つの考え方
人生は自分で選択することができる~個人の主体性~
トラウマは存在しないのか~目的論~
結局していることはひとつ~全体論~
すべての悩みは対人関係によるもの~社会統合論~
意味づけ次第で人生は変わる~仮想論~

第3章 人生を自在にする考え方
「性格」ではなく「ライフスタイル」
人生には3つの悩みしかない
劣等感と劣等性の違い
人生を決めるものとは何か

第4章 幸せに生きるための考え方
縦の関係~相手をジャッジする態度~
横の関係~相手と力を合わせる態度~
平等と同等の違い
人々の幸せを考える感覚
幸せな人生をつくりだす行動のカギとは

第5章 悩みを乗り越える力
超シンプルな悩みの正体とは
勇気とは何か
勇気をくじいていませんか?

第6章 勇気づけの方法
人を勇気づける7つのコミュニケーション
① 貢献や協力に注目する
② 横の関係で感謝の言葉を伝える
③ 過程・個人の成長・できていることに注目する
④ 失敗としても受け取れる
⑤ 相手に決断や選択をゆだねる
⑥ 肯定的な表現で伝える
⑦ わたし言葉+意見言葉を使う
勇気づけの目的を忘れない

さぁどうでしょう、先の三冊に比べると・・?

「アドラー心理学」という新しい言葉がでてきて、この本にはそのことばかりが書いてあるようです。

「幸せに生きる」「悩みを乗り越える」「人を勇気づける」など、学問というより、日常における行動の仕方、人生ガイドのような雰囲気ですね。

 

目次だけ見て分かったことは?

さて、このようにamazonさんを利用して教科書を探し、目次だけチラ見させてもらいました。

これによって何が分かったと思いますか?

  • 知覚・学習・発達、といった心理学でよく扱われる基本テーマが分かった
  • 「ゲシュタルト心理学」「臨床」「アドラー心理学」という気になるワードが見つかった

ざっとこんなところでしょうか。
正直、大したことは分かっていないですね!

でも、何となくこの分野について、何を扱っているのか、どんな言葉がよく使われるのか、そういった雰囲気が分かった気はします。

もっと調べたいと思うか、とりあえずここでやめておこうと思うか、その判断はできますね!

そして「アドラー心理学」などの、いくつか気になる言葉が見つかったというのも、実は収穫なんです。

こうやって一度目にしておくと、次に同じ言葉を見たときには、

(これ知ってるぞ、どっかで見たことあるぞ)

と思えるようになり、記憶に残りやすくなるからです。

また、本格的に勉強してみようと思って後日教科書を読み始めたとき、すでに知っている言葉が出てくると、気持ち的に少しハードルが下がって、易しく感じられるというメリットもあります。

そういうわけで、皆さんも気になる「○○学」がある場合は、教科書の目次のチラ見をオススメします!

マジメに本を読もうと思うと何日もかかりますが、目次のチラ見ならほんの数分です。

amazonのアカウントを持っていなくても大丈夫!

本の検索と目次を見ることまでは無料で誰でもできます。

皆さんも「○○学 教科書」と打ち込んでみてはどうでしょうか?

それではまた!